歌会について


さて、短歌が詠めたら、歌会(うたかい/かかい)へ行ってみましょう。
わたしが思う歌会のメリットは、以下です。

◇自分の短歌に対してたくさん意見がもらえる→詠みの向上
◇他の人の短歌の読み方を知ることができる→読みの向上
◇短歌に対して集中して向き合うことができる
◇いろんな人に出会うことができる

つまり短歌を読むこと、詠むこと、知ることが全部できるということです。
これらはひとりではなかなかできません。

はじめて歌会に行くのはとても勇気がいることだと思います。
意見が言えるか不安だったり、自分の短歌に対して意見を言われるのが怖かったり、初対面の人が苦手だったり。
いろいろ障害はあると思います。

でも、歌会はすごく楽しいです。
行ってみたら、全部きっと大丈夫です。
そこにいるひとがなんとかしてくれます。たぶん。



それでは、歌会に行くにはどうしたらいいのでしょうか。



◇どんな歌会があるのか

歌会はいろいろなところが主催しています。

①個人が突発的に行う歌会
②個人が継続的に行っている歌会
③大学短歌会の歌会
④結社の歌会


もちろんこれを読んでいるあなたがどんな人かによりますが、例えば高校生・大学生なら近くの大学短歌会に行くのがオススメです。
それ以上である場合は、どこでも大丈夫だと思います。

具体的な参加方法を書いていきます。



①日程を調べる

その歌会がいつ行われているか調べます。
大学短歌会などは、広報されていない場合もありますが、その場合はTwitterやホームページから問い合わせてみましょう。
また、もし参加できる日程だった場合でも、必ず連絡してから参加しましょう。
その際、「歌会参加ははじめてであること」「外部の人間であること」を伝えておくとスムーズです。

歌会では、その歌会が開始する前に事前に詠草(えいそう・短歌のこと)の提出が求められる場合がほとんどです。
そのため、日程に余裕を持って問い合わせた方がいいと思います。



②歌会の内容を確認する

歌会には二種類あります。
歌会と吟行(ぎんこう)歌会です。
どちらか確認しましょう。
吟行と書いていなければほぼ確実に歌会です。



③歌会開始までにやること

◇歌会の場合

歌会ではほとんどの場合、歌の事前提出が求められます。
そのため、まず題と締め切りを確認します。
提出歌の種類には「自由詠」「テーマ詠」「題詠」があります。
自由詠はなんでも自由です。一首出しましょう。
テーマ詠・題詠ですが、題詠がそのキーワード詠み込み必須、テーマ詠は必須ではないといわれることが多いです。
歌会によってはその使い分けはあいまいです。
不安だったら確認してみると良いと思います。
詠み込んでおけば間違いはないです。

たとえば「自由詠一首、題詠「海」詠み込み必須で締め切りは当日○時までです」
と書いてあった場合、「自由詠」と、「海という文字を含んだ短歌一首」の二首の提出が必要になります。

筆名(本名でも)を添えて、締め切りまでに提出しましょう。


◇吟行歌会の場合

吟行とは、その場所に行って短歌を作り、そのあとその短歌で歌会をするというものです。
例えば動物園吟行なら動物園に行って短歌をつくります。
なので詠草の事前提出がない場合は多いです。


どちらにしても、日時と場所はちゃんと確認しましょう。
大学短歌会に参加する場合は、どこかまで迎えに来てもらう方がいいと思います。



④歌会会場に着いたら

歌会会場に着いたら、まず詠草や歌稿(かこう)と呼ばれる紙が配られます。
自分を含めた参加者が提出した詠草がばばばばーっと書いてあります。
名前は書いておらず、短歌だけが並んでいると思います。
歌会は基本的に無記名式です。
歌会終わりに、誰の歌なのか発表されます。
なので、自分の歌がどれか言ったり、人にどの歌を出したか聞いたりするのは避けましょう。


そのとき「選(せん)をしてください」と言われる場合があります。
その場合は、歌稿をじっくり読んで、選歌しましょう。
「二首選んでください」や「特選一首と並選二首選んでください」など歌会によっていろんなやり方があります。
じっくり読んで、自分が好きだった歌や、気になった歌に選を入れます。
自分の歌に入れるのはだめです。


選がない場合は、じっくり歌稿を読んだり、人としゃべったりしましょう。



⑤歌会がはじまったら

開始時間になったら、歌会がはじまります。
選での得点が高い歌から順番だったり、一首目からだったり、順番はその歌会次第です。
たぶん初めて歌会に参加することを伝えていれば、最初に当てられることはまずないと思います。
ほかの人の評を聞いて気になったことや、歌に対して言いたいことがあったら、発言しましょう。
言いたいことがある人がばんばん喋っていく感じです。

司会の人に当てられたら、話しましょう。
思うことを頑張って発言しましょう。
せっかく来たんだから、言いたいこと言わないともったいないです。
わからない歌だったら、わからないと言っても大丈夫です。

*自分の歌が評されているときは、たぶん当てられません。
なので、メモを取ったり、意見をゆっくり聞いたらいいと思います。
自分が作りましたってうっかり言っちゃわないようにしましょう。



⑥歌会が終わったら

歌の評がぜんぶ終わったら、解題(かいだい)をします。
解題とは、歌の作者を明かすことです。
司会の人が全部言ってくれたり、一首ずつ作者が手をあげたりします。
これはメモしておくと良いです。
これで歌会は終わりです。

そのあとは打ち上げに行ったり、しなかったりします。
もし時間があったら参加したらいいと思います。
その歌会によって、打ち上げのときに短歌の話をしたりしなかったりします。
そのときにさっきの歌会の歌稿を持って、全体の場所では言えなかったことを歌の作者さんに伝えにいくのも楽しいです。

いろんな人と喋るのは怖いですが楽しいです。
せっかく来たんだから、の気持ちで楽しみましょう。


(注意)
歌稿に載っていたほかの人の短歌は、許可なくSNSで引用するなど、外部に持ち出さないようにしましょう。
歌会の歌は歌会だけで。
自分の歌はもちろんだいじょうぶです。



○終わりに

歌会はすごく楽しいです。
と一概には言い切れないですが、たぶん、楽しいと思います。
刺激をもらえますし、参考になります。
歌会に参加してみましょう!

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